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-いままで看護婦を全然無視していて、検査だけ受けて帰られる患者さんだったのですけど、眼科にも滅多に行かなかったのですが、紹介し診断してもらったら「眼底出血している」と言われ、それから「やっぱり失明したら困る」というので急に取り組まれたようなのです。

 

そういうケースですよね。動機づけを自分でするわけですよ。いままで何もなかったと思っていたところが、眼科の先生にカラーの写真を見せられたりして「ここに出血してるのです」と言われれば、びっくりして、それでいままでの知識のすべてを動員して急速に生活を変容させようとすることがあるのです。それはやはり相当危険です。だから、現状を告知するにしても、その人の気質も十分チェックして指導していかないと、一人でどんどん先に行ってしまう人がいますから、いまのような例は本当に気をつけないといけないと思います。

 

-糖尿病教育入院の患者さんの理想的な入院期間というのを教えていただきたいのですが。

 

理想的というのは費用効果が非常にいいということですよね。短ければ短いほど費用効果はいいわけです。費用効果をよくするためには短く、そして内容を濃くすればよい。東京慈恵会医科大学では1週間にしています。
40代、50代の人でいましっかり教育をして生活変容をしてもらえば、先行きいいコントロールで合併症も防げるというような場合は、なかなかその期間がとれないのです。ですから2週間、4週間という教育入院システムをつくったとしても、それに対応できる人はかなり年配の方だったりして、費用効果があまり高まらないということがあったと思う

 

 

 

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